岡山市立中学校、生徒名簿のメールを誤送信
岡山市の市立中学校で、教諭が生徒ら約200人分の氏名が記載された名簿データを外部にメール誤送信していたことが分かりました。学校現場では、同様のメール誤送信による個人情報漏えいが各地で繰り返し起きており、「先生からのメール」が新たなリスクになりつつあります。
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岡山市立中で約200人分の名簿を外部に送信
岡山市教育委員会によると、市立中学校の教諭は11月11日、学校の書類を自宅で確認する目的で、校内の代表メールアドレスから自分の個人アドレス宛てにファイルを送信しようとしました。ところが、よく似た別のメールアドレスを選択してしまい、生徒ら約200人分の氏名を記載した名簿データを誤って外部に送信したということです。
12日に教諭本人がミスに気づき、学校側が誤送信先に連絡してデータの削除を依頼しました。現時点で、名簿データが第三者に再送信されたり、SNS等で拡散されたりした事実は確認されていません。
この学校では、本来、生徒情報を含むファイルを外部に送る場合は「校長の許可」と「ファイルへのパスワード設定」が必須でしたが、教諭はこの手続きを行っていなかったことも判明しました。市教委は市立中学校に対し、改めて情報セキュリティルールの順守徹底を指示しています。
愛媛・大洲市の市立学校でも児童生徒名簿を誤送信
こうした「先生によるメール誤送信」は、他地域の学校でも発生しています。
愛媛県大洲市では、2025年秋、市立学校の教員が保護者へ連絡メールを送信する際に操作を誤り、児童・生徒約3,000人分の名簿ファイルを別の保護者宛てに添付して送信していたことが明らかになりました。
名簿には、児童・生徒の氏名や学年、学級名などが一覧で記載されており、メールを受け取った保護者が学校に連絡したことで誤送信が判明しました。教育委員会は誤送信先にデータ削除を依頼するとともに、全保護者に経緯を説明し、教職員への再発防止研修の実施を発表しています。
なぜ学校からのメール誤送信が繰り返されるのか
情報漏えいというとサイバー攻撃やマルウェア感染が注目されがちですが、2024年の調査では「誤表示・誤送信」といった人為的ミスも漏えい原因の大きな割合を占めることが報告されています。
特に学校現場では、
- 自宅での作業を目的に、生徒名簿や連絡網を自分の私用アドレスへ送ってしまう
- 保護者全員への連絡中に、添付ファイルや送信先を間違える
- 校長の承認やパスワード付与など、内部ルールが形骸化している
といった状況が重なり、今回のような誤送信事故につながりやすい土壌があります。
名簿自体に住所や電話番号が含まれていない場合でも、「どの学校に在籍している・どの学年に属している」という情報は、子ども本人を特定しやすいセンシティブな個人情報です。そこに万一他の情報(住所、学年別の進路情報、成績など)が紐づけば、標的型メールやSNSを使った詐欺・嫌がらせの材料にも成り得ます。
一部参照


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